お下がりのまたね すりぬけてしまったものでいい できるだけで済ませたい
無為なものでありたい
最低限はこなしたわ

うたかたを頬張った
ゆき場をなくした誓い
嘆けないのうつくしい人
ざらつきのある純度
とけてゆく孤高

祈りは対象があってこそ
ふんだんな紅蓮
優雅なララバイ
翡翠を奏で
まだ壊したくはない

永遠の範疇でしかない
あなたをいつくしむまえに
ありがちな拒絶
おとぎ話の結末しか知らないで
絶えて耐えて堪えて!

羊飼いは堕落せず
持ち主のいない夢
ドキュメンタリーはまだか
きっと最後にのこるもの
新しいもののみなもと

損得だけが待ちうける
てのひらのなごり
そんなことでも労いだしたら
断りもなく手さぐり
月曜日を求めたばっかりに

闇になる瞬間はみないでおくれ
涙だけはこころに踏み入れる
したたるに遠い春
どもる朝焼け
修羅を活け

過剰な模倣
梅園の蛇
おおるりの密告
生乾きをひとすくい
なけなしささえ代用をもとめる

海獣はすこしだけ不安になる
折り詰めはよごせない
ほころびとろけ
主人公と名乗るだけ
項垂れに報いを

施しあいのてっぺんで
確かさをつくり出す
わけもなく熟れる
透き通らなくてもいい
当たり前に扱うのね

まさしく最上
どれもこれも月
こころを極める
かねてより幻覚
なくなってからがいい

無関心は美しい
うちつけの暗幕
しなびにゆく
馨りを記す
こま切れアヴァンチュール

なにもかも割愛
ハローミルディア
ほとんどがゆきあう
けたたましい脈絡
咽音(こえ)はやさしいままですか

いつぞやの不義理
わたつみつなぎ
わたしのオルゴール
冬飼い鮮やいで
遮つこともせず

名を着せに
御浸しの刑であり
どうせならあなたが知ってる怪訝さで
果たして春でありましょうか
とれたての哀愁

きよらかさというものに就いて
ためになる空
ゆだねぞこね
無傷の狗
同情からでいい

その眼刺しで何ができる
いまないてしまおう
見渡す限りの軽薄
盲点はあまい
耳許でこわした林檎の花