ふたたび乗り込もうとした潮騒
がんじがらめではありました
のたまう偽善
挟まるなじか
はじまりだけはしめしたよ
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淵上をくすねる
肌を染める辟易
がめつい永久歯
洋琴家の指は黒い
なまやけの膿
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やまないきず
ひたすらに宝石
グリーン・シャワー・ルーム
ねえ、いつになったら溺死ができるの
始めて聴けたのが波の音だったらよかったのに
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口裂だけ切り盗ってあげる
修飾語になりたいの
そこかしこが鳴いている
汚す必要はないわ
化身をもてあそぶ
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覚えたての揶揄
わからずやだったのは俺だ
手招きをする大人
「お前が望むなら天使にでも悪魔にでもなってやろう」
僕に出来ることと言えば君の棺を発くくらいだ
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夢は嗜むものなのです。
合歓木で堕ち合い
倦ねる皮膚
困る積りでいたんです
みどりがふち
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固まりかけた鎖骨
疾患
黄ばんだ過信
美少年をまとめ買い
形あるものに憧れる
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最果てにうずもれる
その酸素は誰のため
生い端
モラル色の動揺
神は償えるものを罪と呼ばない
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たとえばそれが全てだったなら
無垢を装うこともなかった
沈黙を焚くこともなかった
一切を説くこともなかった
鼓動を譲ることもなかった
憔悴を乞うこともなかった
惨さを計ることもなかった
淡白を赦すこともなかった
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花を贈る
降り濡つマドンナは息絶える
埋もれるには丁度良い量
混沌のように散って、
世紀を生きるのは鮮やかな
皮肉にしか為らない花束
「その傷に貼って」
捧げの身にも似合いましょう
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