07-09


ふたたび乗り込もうとした潮騒
がんじがらめではありました
のたまう偽善
挟まるなじか
はじまりだけはしめしたよ
淵上をくすねる
肌を染める辟易
がめつい永久歯
洋琴家の指は黒い
なまやけの膿
やまないきず
ひたすらに宝石
グリーン・シャワー・ルーム
ねえ、いつになったら溺死ができるの
始めて聴けたのが波の音だったらよかったのに
口裂だけ切り盗ってあげる
修飾語になりたいの
そこかしこが鳴いている
汚す必要はないわ
化身をもてあそぶ
覚えたての揶揄
わからずやだったのは俺だ
手招きをする大人
「お前が望むなら天使にでも悪魔にでもなってやろう」
僕に出来ることと言えば君の棺を発くくらいだ
夢は嗜むものなのです。
合歓木で堕ち合い
倦ねる皮膚
困る積りでいたんです
みどりがふち
固まりかけた鎖骨
疾患
黄ばんだ過信
美少年をまとめ買い
形あるものに憧れる
最果てにうずもれる
その酸素は誰のため
生い端
モラル色の動揺
神は償えるものを罪と呼ばない
たとえばそれが全てだったなら
無垢を装うこともなかった
沈黙を焚くこともなかった
一切を説くこともなかった
鼓動を譲ることもなかった
憔悴を乞うこともなかった
惨さを計ることもなかった
淡白を赦すこともなかった
花を贈る
降り濡つマドンナは息絶える
埋もれるには丁度良い量
混沌のように散って、
世紀を生きるのは鮮やかな
皮肉にしか為らない花束
「その傷に貼って」
捧げの身にも似合いましょう